育児休暇前半戦を振り返る:育児編

 2025年3月上旬に第一子が誕生し、9月末まで7ヶ月間育休を取得している。前半戦が終わったので、育児や育休について感想をまとめてみる。というかやっと振り返る余裕ができたという。。。

ポストが長くなったため、育児編と研究編2本立てでお送りしま〜す

新生児は鬼大変👹👶

当然育児は初めてであり、生まれてきた赤子をどのように育てていいか分からないことだらけである。特に最初期は大変、首グラグラ・すぐに吐く・情緒が全く不明・授乳中に寝る・3時間ごとに起きない・沐浴etc...

親が不慣れな育児に取り組むことに加え、新生児期特有の不安定さによって、生後4週間(育児開始3週間)は特に大変だった。2人メインで1週間だけ私の父が手伝ってくれたので、ワンオペよりは遥かに楽なはずだが、心身ともに限界に近い状態で1ヶ月を過ごした。

妻とは「うちらの親は家事と育児を1人でこなしてたのか?しかも2人目以降は幼児の面倒もみてたのか??」とワンオペで子育てしてきた自分たちの親が、実は人間やめていたのではないかと、何度も真剣に議論したくらいだ。妻は出産ダメージ(鼻からスイカが出るようなものと例えられるが)により最初の1ヶ月は家事はほとんどできないので、私が授乳のサポートと家事を担当して、妻は授乳に専念する体制だった。

特に夜間の授乳は大変で、3時間おきに母乳とミルクを与える必要があり、しかも赤子👶が起きない!いやお腹空いたら泣いて知らせてよ〜と思うが、赤子というのは生後3週間くらいは自分がまだ子宮にいるつもりらしい。うちのは予定3週間前に生まれたから、余計に子宮モードが強かったかも。

夜の戦いを終えた我々は、日中は死に体(相撲用語)、昼飯は基本インスタント。夜は頑張って何か作ったが記憶がない。母乳成分とか気にしている余裕は全くない。日中はずっとドビュッシーの月の光をリピート再生してぐったりしていた。

授乳のサポートとミルクを担当しており、3時間おきに授乳だが、オムツや寝かしつけなど入れて毎回1時間以上は起きていた。つまり実質2時間以下の睡眠を3時間おきにとっており、夜は断続で合計4時間くらいしか寝れてなかった。

一番こたえたのは、2週間検診で体重増加が悪いからもっと授乳を頑張れと言われたことであり、かなり努力しているつもりだったが、まだやるんか〜と少し絶望した。

赤子が可愛くなかったら、こんな奴隷みたいなことは絶対できんなと思い、それもうまくできていると感心したが。ベンジャミンバトンが産まれたらしんどかったかも。本当にしんどい時は、赤子が可愛いとすら思えなかったが、これは父親だからとかではなく、妻も同様だったらしい。

父親が生後2週間で来てくれたのですごい助かったし、帰り際に大量のハヤシライスを残してくれたので、3日間くらいはご飯作らずに済んだ。妻から見て義父が最初に手伝いに来るのは相当レアケースだが、うちの父は70代の割に家事能力が高いため(しかも母が専業主婦)、かなり有能な家政夫であったようだ。暇な研究者だったから家事育児にかなり協力してたらしい。

楽にならない4〜7週目👶💗

生後1ヶ月から私の母親が来てくれたので、家事は全て任せることができ、少し人間らしい生活に戻れた。赤子を見てもらって妻と2人で出かけれてリフレッシュもできたし、赤子が泣き止まない時は母の居室に預けて我々は休むことができた。この期間にお宮参りや赤子を連れた外食もできたので、人間らしい生活が少し戻ってきていいリハビリになった。

この頃から、日中にぐずることが増えてきた。生後1ヶ月は子宮モードでほとんど寝てるため日中に休めたが、日中にあやしたり抱っこして寝かしつける必要があったため、新生児期とは違う大変さがあった。しかも夜の入眠が悪く、寝て欲しい時間に寝ないし、3時間待たずに起きるし、よく吐くのでついつい見張ってしまって睡眠できなかったり、新生児期よりしんどかったかもしれない。まだ情緒がわからないため、寝かしつけなどが難しく、寝てくれ寝てくれ〜と呪文を唱える。

我が家には丑三つ時に抱っこ紐に赤子を装着し、バランスボールで揺れる白目の髭面親父という怪異が現れたそうだ。

生後6週目くらいに、産後ケアの助産師訪問を使って、74歳のベテラン助産師が育児相談に来てくれた。このかたはYouTuberのHISAKOさんみたいな感じで「ある程度適当でいいぞね」と赤ちゃんの扱い方を教えてくれた。このかたの指導のおかげで赤子の世話をリラックスできるようになり、その後の育児がだいぶん楽になった。産後ケアはどの自治体もあるが、絶対に使った方が良い。

妻にとっては、これまでほとんど付き合いのなかった義父母なのでお互いに気を使うし、私もその点で気を使っており、体は休まったとはいえ、気疲れはかなり大きかった。また、久々に人間らしい生活を送ることによる疲れもあったようで、母が帰る直前に私がメンタルブレイクしてしまい、一日寝込んだ。新生児期からの蓄積疲労・赤子の成長に伴う育児の負担増・普通の生活の負担に加え、睡眠不足で自律神経が狂ったのが原因だろう。人生で初めて鬱気味の精神状態に陥った。謎の不安感・疲れているのに眠くない・会話する意欲がないといった代表的な症状が出た。1日寝たら回復してたが、ここで無理したら産後うつになるんだろうなーと実感。

母が帰り、しばらくまたゾンビ生活に戻ったが、母が来ずにずっとゾンビ生活だったら、まともな人間生活を取り戻せるのが遅れただろう。惣菜の作り方を学んだため、食卓にサラダや小鉢が増えて、食生活が充実してきた。この点も非常に感謝している。

その後、妻の実母、私の親友と妹が少しだけ来てくれて、赤子を愛でて帰っていった。社会から孤立しているので、人の訪問はとてもありがたい。狩猟の師匠が定期的に獲物の報告をしてくれるのもいつも楽しかったし、友人を持つのは大事だなーと痛感した。

ちゃんと笑ってくれたのは4月26日生後7週目であり、この笑いにはきっと感情がこもっていると確信を持てた。笑顔を見ると疲れが吹き飛ぶと体験談を読んだことがあるが、それは正しい。1ヶ月すぎてから、散歩や外出できるようになったので、息抜きがしやすくなったのは良かったし、3人で出かけると家族だな〜と幸福を感じた。

ついに希望が8週目以降🤩

生後2ヶ月が経った頃から、ついに4時間以上寝るようになってきた。もちろん寝ない日もまだあるので、寝不足になる日は多いけど、毎日寝不足状態からは解放されてきた。赤子も鳴き方や態度のバリエーションが出てきて、私もそれをうまく翻訳できるようになってきた。寝かし付けが上手になり、日中や夜もしっかり時間取れるようになってきた。そして3人でコメダ珈琲に行ったり、うまく3人の生活も回り始めた。とはいえ風邪が引き金で喘息が再発したり、それが妻にうつってダウンしたりと体が弱っていることで起きるトラブルもある。

そして、魔の3ヶ月という2回目のメンタルリープが始まった気がする今日この頃💦

研究は基本的にストップだが、育休前に投稿してた論文の修正や査読は並行して進めている。これについては研究編で

終わりに〜育児大変。赤ちゃん可愛い〜

大変なことばかり書いたが育児は楽しく充実している。赤子の成長は早いし、育児家事を通して日々「家族」になっていく実感を得ている。

自分の場合、研究より育児の方がずっと大変に感じ、よく実験や調査で寝不足になることがあるがせいぜい数日で、1ヶ月以上寝不足になることはない(自分で望んでそうする研究者はいるけど)。

育休を長くとったのは、子が生まれる前に家事は分担していたため、私が主夫になれるからである。家事をあまりしてこなかった人や実家が近い人はあえて長く取る必要はなく、しっかり稼いだ方がいいのかもしれず、夫婦関係やサポート環境、夫の仕事次第な気がする。

育休取得率の数値目標をよく見るが、集団で見た取得率は何の意味もない。育休とりたい人が希望するだけ取れるのが理想であり、たとえそれが10%であっても構わないと思う。最近は最初の1ヶ月は手取り給与相当が支給され休みやすくなっているから、今後100%になるかもしれない。



育児と研究をどうやって両立するかは当面の課題になりそう。子供が生まれて興味深い自分の変化は、この子が生きる時代について考えるようになったことだ。自分だけだったらあと30年くらい先のことだけ考えるけど、あー息子は22世紀も生きるんだな〜と思うともっと長い時間スケールで平和と幸福について願ってしまう。

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