昆虫寄生菌@高知

 散歩してたら昆虫寄生菌がいくつか見つかった。

ツクツクボウシタケ(Isaria cicadae)

ツクツクボウシに寄生するセミタケの一種。珍しく学名を持つ冬虫夏草の一種。高知県の山で発見。道沿いに5〜6個あったので、林内を丁寧に探すともっとたくさんあるだろう。冬虫夏草は特定の場所に集中する傾向があるので、一つ見つけると続々と見つかる。今回も一本掘り出してから、続々と見つかった。ちなみにこれは無性世代のようだ。有性世代はあまり見つからないようだ。

掘り出したセミタケ。
北海道で見てきたエニワセミタケよりも形が安定している。
本体は菌糸で覆われている

柄の数が10本以上と多いセミタケ

ショウリョウバッタに寄生するバッタカビEntomophaga grylli?

散歩中に放棄耕作地で見つけた。ショウリョウバッタがバッタカビの仲間に寄生されているようだ。1m2くらいの範囲に10匹くらい見つかった。寄生するサイズはバラバラのようなので、特に性別や齢級による違いはなさそう。ハエカビの仲間は宿主を草の上に移動させ、そこで絶命させ、胞子を発生させる事で広範囲に胞子散布しようとするらしい。こういった宿主を植物の頂上に動かす寄生菌をSummit deseaseと呼ぶようだ(https://doi.org/10.1016/j.jip.2020.107398。あまり見た事ないけど、家から徒歩5分の耕作地で見られるとは。。。ショウリョウバッタは入手・飼育が簡単なので研究できたりしないかな。

メスのショウリョウバッタ

小型(オス?)


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